【機関投資家分析レポート】アルファ・キャピタルから新シリーズスタート!日本株を動かす機関投資家の存在を紐解く!

Posted: 2021/04/26 | By: Yusuke Kuroiwa

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機関投資家の種類や特徴


この記事では、機関投資家について取り上げます。株式市場における機関投資家を念頭に機関投資家の話をしていきます。機関投資家の中には未公開株式や不動産、メザニン等の特徴的なアセットに投資をしているところもありますが、今回はそういった部分までは踏み込まず、機関投資家の大枠について触れていきたいと思います。


【目次】

投資家の種類

機関投資家とは

機関投資家の種類

機関投資家ごとの特徴

まとめ


【投資家の種類】

投資家の種類は大きく2つに分けることができます。その2種類の投資家とは個人投資家機関投資家です。または、ここに海外投資家を加えることで3種類とする場合もありますが、海外投資家も結局のところ個人投資家と機関投資家に分類されます。この海外勢の勢いは強く、日本証券取引所グループが公表する株式年間売買状況によると、2020年における7割以上の取引高を海外投資家が占めています。


個人投資家は文字通り、自己資産を運用して投資を行う投資家です。株式投資において、2019年の調査レポートによると、日本において株を保有する個人株主は5,672万人いるとされ、6年連続で増加しています。


個人投資家の投資手法は幅広く、テクニカル分析に基づいて短い期間で売買を繰り返す人もいれば、ファンダメンタル分析を採用して中長期目線で売買を行う人もいます。

また、個人投資家のレベルは様々で趣味で投資をする人もいれば、投資を専業でやり、プロ投資家として活動する個人もいます。

次のセクションからは機関投資家にフォーカスしていきます。


【機関投資家とは】

機関投資家は、個人投資家の様に自己資金で投資をするのではなく、主に顧客から集めた資金を元手として投資を行っている人たちです。機関投資家の顧客、つまり機関投資家にお金を預ける人は個人のケースもあれば、事業会社やその他の機関投資家が顧客になることがあります。このように、機関投資家は自己資金ではなく、他の人から預かってきた資金を運用している人たちになります。


【機関投資家の種類】

主な機関投資家の種類として、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、普通銀行、信用金庫、年金基金、共済組合、農協、政府系金融機関などが該当します。

一部ではありますが、具体的な機関投資家として以下が挙げられます。

  • 生命保険会社:第一生命、プルデンシャル生命

  • 損害保険会社:損害保険ジャパン

  • 信託銀行:三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、みずほ信託銀行

  • 年金基金:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)

  • 政府系金融機関:日本政策投資銀行


また、機関投資家はアセットオーナー運用機関に分けることが出来ます。資金の出し手である「資産保有者としての機関投資家」(年金基金、生命保険会社、損害保険会社など)をアセットオーナーと呼びます。一方で、資金運用を受託して、実際に企業に投資を行う「資産運用者としての機関投資家」(投資信託会社、投資顧問会社、信託銀行など)を運用機関と呼びます。つまり、運用機関にとってはアセットオーナーは顧客にあたる関係です。


【機関投資家ごとの特徴】

一般的に機関投資家は、あまり短期間での売買をすることはありません。

以下、年金基金、保険会社、投資信託等といった機関投資家ごとに投資手法の概要を述べていきます。




  • 年金基金

各国の年金基金は、加入者の年金積立を元手として長期的な運用を行う機関投資家です。国や団体によっても違いはありますが、一般的に年金基金では保守的な運用が行われることが多く、大事な年金を預かっているため、運用過程への責任が大きいのが特徴です。日本の代表的な年金基金は厚生年金と国民年金の積立金を管理・運用する「年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)」で、世界的でも有数の規模となっています。




  • 保険会社

生命保険会社や損害保険会社は機関投資家の一面も持っています。加入者からの保険料収入を元手に投資を行っており、安定した長期的な運用を目指しています。




  • ヘッジファンド

ヘッジファンドは、顧客から集めた資金を複数の金融商品に分散投資する投資家です。投資に関して知識があり、リスク許容度が比較的高い個人投資家から、私募により資金を集めているため、比較的自由な運用が出来る環境にあります。

高い運用成績を狙うために短期的な売買を繰り返すことが多く、冒頭に述べた機関投資家の特徴とは異なり、ハイリスク・ハイリターンな投資を行うことが多いです。長期的に運用することが少ないため、機関投資家とは別の扱いを受ける場合もありますが、投資家の一種であることに違いはありません。




  • 投資信託会社

投資信託会社は、顧客(主に個人投資家)から預かった資金を元手に運用を行う機関投資家です。ヘッジファンドとの大きな違いは、投資経験の豊富な層に限らず不特定多数の個人から資金を集めている点です。顧客の中には投資に関する知識がない人やリスク許容度の低い人もいることから、比較的リスクが少ない守りの投資を行うことが多いという特徴を持っています。




  • 大学

日本ではあまり有名ではないですが、実は大学もファンドを設立し、機関投資家として活動をしている一面があります。ハーバード大学やイェール大学が有名で、数兆円規模の資金を運用しています。かたや日本でも慶応大学や早稲田大学が運用をしていますが、数百億円規模と海外には見劣りしてしまいます。

一般の機関投資家が運用する銀行預金や保険金、年金などはいずれ返金する必要があります。ところが、大学が運用している資金は寄付金が原資であり、寄付金は返済義務がない純粋な自己資金のため、半永久的に運用が続けられることが強みです。




  • 海外投資家

外国人投資家と呼ばれる投資家の多くは、海外に本社を置く法人ですが、一部は外国に居住する個人投資家もいます。日本の投資家と外国の投資家では投資の決定基準が異なることが多いため、外国人投資家の動向は日本の証券市場に大きな影響を与えています。


【まとめ」

個人投資家ほど世間一般には身近でない機関投資家ですが、実は大学や保険会社が機関投資家であったりと身近な例もあります。機関投資家の中でも、誰からお金を預かるかによって機関投資家それぞれの性格は大きく異なります。

また、機関投資家によっては特異とするアセットクラスも異なってくるので、そういったところを深掘りしていくと更に機関投資家について知ることが出来るはずです。







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